三橋達也氏インタビュー 08
松竹大船時代の川島監督について
**** 松竹大船時代の川島さんについて耳にしたことは何かありますか?
三橋

僕はまだ松竹に入ったばかりでピーピーしてまして。
出演料は安いし。いわゆる月保障ってのがあって、
月給ですね、わずかなんです。
1本出ると、それについていくらか手当がつくわけですね、
出演手当って。
そういうスタイルできて、本数もまだ少ないわけですよ。
だから手当が入らない、お金に困ってたんです。

で、所長に借りに行ったりなんかしたんですよ。
演劇課長の上の部長がいましてね。
部長の口添えで、借りに行ったら、
そこへたまたま別な人が入ってきて、
「何とかが断りました。」 例えば、大庭監督とかね。
「これ、大庭が断りました。」
なんていって台本を持ってくると、
「じゃ、川島にやらせろ!」ってね。そういう監督だった。

プログラム・ピクチャーを何でもやるってことで。
そういう扱いでした。
そのころはね、さほど作品的にも・・・。
ひらめきはあるわけです。
ひらめきはあるけど、作品全体としてのまとまりとしては
さほど誰にもほめられなかった人です。

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