三橋達也氏インタビュー 07
『純潔革命』〜『洲崎パラダイス 赤信号』の音楽について
三橋 あと、ジョージ川口ってドラマー、
『純潔革命』で、初めて映画のために演奏してくれたんです。
僕と草笛くんが、ジャズコンサートに行くんですよ。
その演奏が「ジョージ川口とビッグ4」
(ドラム・ジョージ川口、サックス・松本英彦、
 ピアノ・中村八大、ベース・小野満)。
当時、大変な人気の日本中を席巻した
ジャズバンドが出演している、それを聞きに行くんですよ。
ジョージは番外で演奏してくれてね、
僕がステージの脇に立って見ていたら、あいつ立ち上がって、
タムタムドラムの上に乗っかって、足で叩いたんです。
そういうアクロバティックなことまで、やってくれたりして。
 
**** 川島さんはジャズとかに、かなり興味を持ってたんですか?
 
三橋 

ああ、興味持ってましたよ。
僕は(音楽)マニアでしたからね、
たびたび、そういう質問に答えなければいけないってことで。

だいぶ後の話ですが、
『洲崎パラダイス 赤信号』(1956・日活)でね、
僕の進言でね、僕が提案して「川島先生、どうですか」って。
日本の映画で初めてじゃないですか、
ラテン系の音楽で、全部音楽を録る。
『洲崎パラダイス』は、だから全部ラテン系です。
ラテン音楽です。マンボとかね、そういう。
作曲してくれたのは真鍋理一郎さんで、
いまでもどっかでやっていますけど。
 

**** じゃ、三橋さんのアイデアがきっかけで、
ああいう音楽になったんですか?
 
三橋

そうです。
そのために、僕の自宅にでっかいステレオを作って。
ステレオマニアで、そっちの方でもすごく有名になっちゃって、
しょっちゅう本に書かれたり雑誌に書かれたりして。
そこへ真鍋さんなんか来て、僕がこんなレコード、
こういう感じと聴かせて。そんなこともありました。

『純潔革命』は、すごくね、
そういう意味じゃ因縁が深いなあと思います。

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