スタッフみたいなことはしてませんけど、
たびたび慰問に行ったりね。
それから、これは高村さんがバラしちゃったんですけど。
品川の土蔵相模のところのロケ(『幕末』のプロローグ)
があったんです。その時、向こうに外車が走りたいって
言うんで、僕が車の運転をして走ったんです。
事情を話しますと、僕とプロデューサーとの、
日活における俳優の扱いについての約束があったんです。
それを、ま、こっちが我慢して、こうこう、
こうだからっていう条件をまげてね。
埋め合わせはいつかするみたいな事が
全然なくて、その返事が全然なかったんですよ。
それで頭にきてね、
僕は台本を書いている川島さんのところへ行って、
「今度は勘弁してください。」と。
その時聞いたら、
「ホンのちょっと付き合ってくれよ、高杉晋作の役で。」
本当だったら、「ああ、いいですよ」
ということだったんですけど、そういう事があったんでね。
あと、むこうがその事での受け取り方が非常に悪くて、
「あの野郎、生意気になりやがって。」
っていうようにとられると、困るって気もこっちにはあった。
だから、できるだけ現場に慰問に行ったり、
こっちが暇なときは監督を車で送り迎えしたり。
夜間ロケで、左幸子が入水するシーンなんかね、
月島の先でやっているときなんか、随分おそくに
夜食を持っていってあげたりね。
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